第一章

登録販売者試験:第1章「薬害の歴史」の暗記ポイント・要点まとめ

前回の記事「登録販売者試験:第1章「適切な医薬品選択と受診のすすめ」の暗記ポイント・要点まとめ」の続きです!

今回は、第1章最後の項目、「薬害の歴史」について勉強していきましょう!

ここは実務では100%と言っても過言ではないくらい、使いませんが、試験では必ず覚えておかないとダメな項目です。

第1章の問題によく使われる上に、混同しやすい単語がたくさんあります。

覚えにくいのに試験に出やすいという嫌なところです…。

逆に言えば、完璧に覚えてしまえばなにも怖くないので、しっかり要点を押さえていきましょう!

薬害の歴史

登録販売者試験で問われる薬害とは、服用した医薬品に好ましくない作用(副作用)で重篤な症状により訴訟に発展したものを指します。

注意を払っていても、未知の副作用や重篤な症状(薬害)が発生する場合があるということを覚えておきましょう!

ポイント

医薬品は人体にとって、本来は異物であり、服用することで治療上の効果や効能を得るとともに、副作用と呼ばれる有害な作用が生じる。

医薬品の副作用による主な4つの訴訟

現在に至るまでに起きた薬害の訴訟は以下の4つです。

この項目では、薬害が起きた過程と、その後どんな対処が行なわれたかが重要なポイントとなります。

  1. サリドマイド訴訟
  2. スモン訴訟
  3. HIV訴訟
  4. CJD訴訟
各訴訟については、これから説明していきますね!

サリドマイド訴訟

サリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことによって、出生児に先天異常が発生したことに対する訴訟です。

出生児は四肢欠損や聴覚障害などの先天異常が発生したそうです。

サリドマイドは催眠鎮静成分として、催眠鎮静剤や胃腸薬に配合されていました。

つわりを抑える薬として、一般用医薬品としても販売されていましたが、血液-胎盤関門を通過してしまう薬剤であったため、被害が拡大したという背景があります。

ポイント

1961年11月 西ドイツのレンツ博士により、催奇形性の警告
ドイツはすぐに回収
1961年12月 西ドイツ企業から日本に注意勧告
出荷停止:1962年5月
販売停止・回収:1962年9月

日本の対応が遅かったことが問題視されました。

サリドマイドには血管新生を妨げる副作用があります。

妊娠中の服用で血液-胎盤関門を通じて胎児に成分が移行し、胎児の血管新生が妨げられ、細胞分裂が正常に行われないことが原因で四肢欠損などの先天異常が認められました。

サリドマイドの副作用による先天異常は「サリドマイド胎芽症」と呼ばれます。

ポイント

サリドマイドの光学異性体(S体:R体)
血管新生を妨げる作用:S体のみ
鎮静作用:R体のみ

サリドマイドのようにひとつの医薬品成分の中に、2つの似た化学構造を持つものがあります。

サリドマイド訴訟のその後の対応は、WHO加盟国を中心に、市販後の副作用情報の重要性が改めて認識されました。

WHO加盟国における副作用情報の収集ための体制が整えられるきっかけになりました。

「WHO国際医薬品モニタリング制度」といいます!

スモン訴訟

整腸剤として販売されていた「キノホルム製剤」を使用したことにより、亜急性脊髄視神経症に罹患したことに対する損害賠償訴訟です。

亜急性脊髄視神経症は英名「Subacute Myelo-Optico-Neuropathy」といい、その頭文字をとって「SMON(スモン)訴訟」と呼ばれています。

この記事で紹介する訴訟の中で、訴訟の名前と薬物名が唯一、一致していないので、少し覚えにくいかもしれません…。

キノホルム製剤は日本でも1924年から1970年まで、整腸剤として市販されていました。

1958年頃から、消化器症状を伴う神経症状が報告されていて、この報告により、アメリカでは1960年にアメーバ赤痢でしか使用できない制限がかかりました。

サリドマイド訴訟、スモン訴訟をきっかけに、1979年、医薬品の副作用による健康被害の救済のため、「医薬品副作用被害救済制度」が創設されています。

HIV訴訟

血友病患者が「ヒト免疫不全ウイルス」が混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤の投与を受けたことで、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟です。(1989年)

ヒト免疫不全ウイルスは英名「Human Immunodeficiency Virus」で頭文字でHIVと呼ばれています。

過去の薬害の教訓が生かされず、再び重篤な薬害を発生させてしまったんです…。

血液製剤の安全確保が課題となり、検査の充実、献血時の問診の充実が図られ、製薬企業に対する感染症の報告を義務付けや医薬品の緊急輸入制度が作られました。

CJD訴訟

外科手術などで使用されていた「ヒト乾燥硬膜」を介して、「クロイツフェルト・ヤコブ病」に罹患したことに対する損害賠償訴訟です。

クロイツフェルト・ヤコブ病の英名が「Creutzfelt-Jacob Disease」で、頭文字を取って「CDJ訴訟」と呼ばれています。

CJDは、タンパク質の一種のプリオンが原因で、認知症に類似した症状を起こし、最悪の場合死に至る重篤な神経難病です。

「CJDの原因は?」という問いでウイルス、細菌と引っ掛ける問題が多いので注意です!

HIV、CJD訴訟を受け、2002年に「独立行政法人医薬品医療機器総合機構」による生物由来製品による「感染等被害救済制度」が創設されました。

薬害は薬の成分と副作用の結果を結びつけて覚えよう:まとめ

薬害の歴史は、残念なことに実務で使いませんが、試験に出やすい上に、点を落としやすいところです。

しっかりと薬の成分と副作用の結果、薬害がきっかけでなにが創設されたか…としっかりと結び付けて覚えていきましょう!

ひとまず、この「薬害の歴史」で第1章は終了です!

おつかれさまでした!