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FUCURAMU COFFEE:ロゴメイキング

ロゴ制作にチャレンジしました、つぐり(@tsuguriguri)です。

記憶が正しければ、11月下旬から着手し、3月に作り終わった作品です。

その間、他のご依頼も請けていましたが、その裏でずっとこのロゴの制作にあたっていました。

正直に言うと、自身の知識や技術不足で心折れかけたこともありました。

しかし、この依頼をきっかけに、デザインへの造詣が深くなったり、多方面から物事を観察できるようになったかなと思います。

最終的にはクライアントであるFucuramuさんと、わたしの双方の満足できるロゴができてよかった!という一言に尽きます。

ショップのイメージ、ターゲットとする客層、メッセージ…を小さいマークひとつに詰め込みました。

この記事では、悩みつつもなんとか完成に至った経過をご覧いただければと思います!

依頼のご希望と条件について

今回のご依頼は、ショップで使用する商品や印刷物に利用したいとのことなので、「著作権譲渡」の商用ロゴという扱いになります。

イラストは基本的には著作権は譲渡しませんが、商用ロゴは性質上、著作権譲渡でないと使いにくいので、お譲りする形を取っています。

制作するものは、「ロゴ」と「タイプロゴ」の2点です。

ロゴはマークのことで、タイプロゴはロゴと一緒に使われるフォントを指します。

入稿の形式は「ベクター形式」で、「ポジ・ネガ両パターン」での使用予定とのこと。

ポジ・ネガは色調反転の意味だと思っていただいたらいいと思います。

ベクター画像は拡大・縮小しても画質が落ちないというメリットがあり、多くの商用ロゴはベクター形式での納品となることが多いようです!

色はKのみで、網掛けは無し希望でとのことでした。

KはCMYKという色表現法のKのことで、色は黒を指します。
網掛けはマンガのトーンみたいなものです。

ショップイメージをロゴによって再現することが課題に…

諸条件は上記に書いた通りなんですが、難題なのはショップイメージをロゴによって再現すること。

おいしいコーヒーのお店の、コーヒーを淹れる過程で現れる「ドリップ中に膨らむコーヒー豆の姿」を再現するのが非常に難しかった…!

Fucuramuさんは「ドリップ中に膨らむコーヒー豆の姿」を花束に見立てて、コーヒーブーケと呼んでいらっしゃいます。

今回の依頼は、コーヒーブーケをロゴに組み込むという難題への挑戦となりました…。

…で、最初はとにかく頭の中のものを出すことにしました。

結果は失敗に終わりましたが!

失敗作と制作過程

納品はベクター形式で…となっていますが、ベクター形式の画像を作るにはillustratorが必要になります。

ちょうど、illustratorを本格的に触り始めようか…という中でのご依頼だったので、illustratorはベジェ曲線を使えるかどうかレベルのスキルでした。

依頼を正式に受注するにあたって、スキルが不足しているのはご了承いただいています。

今思えば、別にそんな急ぐこともなかったみたいなのですが、完全に焦ってしまって、頭の中のイメージをそのまま提出してしまいました…。

上の画像が最初の提出にして、失敗作になるのですが、これのおかげでベジェ曲線はかなり使えるように!

ここで出た要望が、「文字とロゴは一緒に入れないで欲しい」ということと、「もっと花束感が欲しい!」ということだったので、1ヶ月程モチーフ探しに徹することにしました。

時間に余裕があると言っていただいた上に、デザインにまつわる話などもアドバイスしていただいたので、お言葉に甘えることに…。

ラフ案と完成まで

モチーフ探しでなんとなく答えが出てきそうなタイミングで、Fucuramuさんから一件DMをいただきました。

コーヒーブーケにまつわる話で、「花を買うときはこのお店で買ってて、結婚記念日にブーケを毎年プレゼントする」という一言でモチーフが決定!

モチーフをコーヒーから花束にしようと思ってたところにこの一言だったので、一瞬で迷いが消えました。

いい案がまったく浮かばなくて、「どうしよう…」と心折れかけてたときだったというのもあって、ここからは一気に制作が進んだように思います。

ラフ案と絞り込み

ラフ案はルーズリーフに描き出したものから、残すデザインを決めてもらいました。

実際に送ったものがこちら(ルーズリーフ2枚分)

残すデザインは赤丸で囲んでもらいました。

ここから、更に選んでもらった案をブラッシュアップさせていきます。

そして、こちらも残す案にチェックを入れてもらいました。

花束×ドーム型がいいかなという話に落ち着いたので、ここからはかなり最終形に近づいてきます!

更にブラッシュアップして、花束×ドームの案を煮詰めていきます。

ここまで来ると原形が出てきますね!

残す部分は青丸で囲んでもらい、ほぼイメージは固まったので、ここから先はデジタル作業に入ります。

リボンを小さくする・無くす、もっと上側を大きくして、ドリッパーのように見せるなどの相談もこの時点で行ないました。

相談内容もどんどん反映させていくことになります。

つぐりさんのタッチで!」と言われたので、いつもの強弱が付いた線で制作を進めていくことに決めました。

絞りこみ~デザイン決定

デザインは縦と横の比率が1:1か、1:3を希望されていたので、各デザイン×比率で数パターン用意しました。

元の画像の比率、1:3、1:1の順番で2パターン並べています。

この画像は、1:1と1:3で4パターンあります。

バランス比は1:1で決定し、後はリボンの形をどうするかなー?というところまで来ました!

リボンは無くして、包装紙に捻りを入れようか…なんて話になり、デザイン案として残った2パターンをリボンから捻りに変更することに。

ドーム部分も悩みどころでしたが、少しだけ高さを出して、右側の案は保留ということで空白にしました。

捻り部分が大きく、「目線が下に持っていかれる…」とのことだったので、小さくしたり、「包装紙の上の部分は角が出ない方がいいかも?」とご要望があったので、丸めにしました。

最終的には、捻り自体無くそう!となって、今の形に至ります。

twitterにてこんなツイートをしました。

まさにこのロゴの最終調整していたときのツイートですが、ギザギザしてたり、グリッドからずれたりすると一から線を描き直していました。

線を一本ずつレイヤーを分けて描いていたので、全部で18枚レイヤーがあります。

一本の線を引くのに、少なくとも20回はやり直していたので、すごい数の線を引いていたと思われます…。

はみ出たところをきれいに消して、晴れてロゴが完成です!

…と言いたいところですが、タイプロゴもあります。

タイプロゴの制作

タイプロゴを作るにあたって、どんなフォントがいいかな~と考えていましたが、制作時にショップロゴとして使われていたのが「明朝体」でした。

明朝体で良さそうな感じのフォントを探して、選んでもらって、文字と文字の間隔を調整するという流れになります。

文字の提案ついでに、花束感を出すためにロゴの傾き具合も調整。
(上から45°、下は20°で5°ずつ角度をずらしています)

ロゴの傾き、フォント共に一番下のものに決まり、あとは文字を調節するだけになりました。

ちなみに、フォントは「貂明朝」という最近発表されたロゴを使用しています!
明朝体の中でも丸めでかわいらしいフォルムをしています。

順番が前後しましたが、ここでもう一度ロゴの微調整ということで案を3点提出しています。

フォントは上と下の2案のみですが、「R」と「A」がくっついているか、離れているかの違いですが、比べてみるとバランスが少し違って見えます。

完成形に入っている「ROASTERY」の文字をこの時点で入れ忘れていることに気付きます…。

ロゴはバランスを整え、強弱をつけた「いつものタッチ」を選んでもらい、タイプロゴは「R」と「A」を微調整して隙間を作った案に決定!

これが完成品です!

完成後の追記

完成後、FucuramuさんからDMをいただいた内容が、「かなり大事なポイントでは?」と思ったので、追記ということで共有したいと思います。

完成したロゴの重なり部分(着物に例えると前合わせ)が左前なので、お祝い事などに相応しくない形になっていました。

前合わせを左前にするときは、仏式の葬儀で、亡くなった方に着せる着物を意味するので、縁起が良くないと言われています。

…ので、今回のような重ねがあるロゴは、右前を避けて、左前になるように作るといいですね!

これには完成品を左右反転していただいて、対応してもらっています。

商用ロゴを制作した感想と気付き

このロゴ制作は長期間にわたる大作(個人的には)となりました。

熱意も技術も余すことなくつぎ込んでいます。

100%どころか、120%くらいの力を出して、納品してからしばらくは創作意欲が消えました。

本気でデザイン勉強しなきゃ!と思い、付け焼刃に近い感じですが、作品に投影できてよかったな~と。

キャリアがゼロながらも、知識は確実に増えましたし、物を見る視点や観察力も少しは磨かれたんじゃないかなと思ってます。

今までだったら、きっとフォントの隙間とか気にしなかっただろうし、縦横の比率やグリッドの線を意識することも少なかったはずです。

この依頼のおかげで、隙あらば物を観察する癖がつきました。

デザインの話ばかりしましたが、きっとイラストにも活きてくる経験ができたのと、この依頼が無事終わったことを素直に喜びたいと思います!

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